ルルたんミノたん
inわくぷよ小話
「ったく、考えもなしに敵に突っ込んでくんじゃないわよ」
ミノタウロスの左腕にグルグルと包帯を巻きながらルルーがぼやいた。
ちょこまかと逃げていくアーちゃんを追いかけたところ、敵に囲まれてしまい、思わぬダメージを受けてしまったのだった。
後からすぐにルルーが駆け付けた為、大事には至らなかったのだが…
「も、申し訳ありません」
主人を守るつもりが、逆に迷惑をかけてしまった。
ミノタウロスがしょんぼりと頭を下げていると、少し大げさな様子でルルーが声をかけた。
「ほら、できたわよッ」
「ぐもぉお!!!」
傷のあたりを叩かれたので、ミノタウロスは思わず悲鳴をあげた。
ルルーは立ち上がると、そんな事はまるで気にしてないかのように歩き出す。
「ほら、何してんの!さっさと行くわよ!」
軽く振り返ったルルーが叫び、またスタスタと歩き出してしまった。
ミノタウロスは安堵した。一緒にいて良いのだと。
そうだ。ルルーはちゃんと居場所を用意してくれる。出会ったあの時から、ずっとだ。
ぐっと足に力を込め、立ち上がる。
「はい、今すぐに!」
ミノタウロスはルルーの背中を追いかけた。
文章むじぃ。
ルルーの明るさは、ミノタウロスを救うよね。